鍼灸のはじまり
鍼灸の歴史は、紀元前から今の「中国」と呼ばれている地域で始まったとされています。
体の表面と内臓の関係をまとめた「経絡経穴(けいらくけいけつ)」をはじめとして、体の機能や病気の成り立ちについての考え方、独特の診断や治療技術などの伝統的な鍼灸の基本は、後漢と呼ばれる時代(25~220年)には学術的なものに体系化されていたと言われます。いわゆる「東洋医学」と言われる世界観をもつ治療法です。
日本における鍼灸
日本にも6世紀ごろから鍼灸の技術が入ってきたことが歴史書などからわかっています。
しかし、日本で鍼灸が広く普及し始めたのは江戸時代からです。この頃、日本での鍼灸は独自の発展を遂げました。それは、鍼を皮膚に刺す際に「打鍼法」と言われる技術と「管鍼法」という技術を確立したことです。
「打鍼法」とは、小さな槌を使って、五寸釘のような太い鍼を刺す方法のことです。
「管鍼法」とは、細い鍼を打つ際に金属製の管に鍼を入れて、その端を叩いて患部に差し込む技術です。この方法であれば、細い鍼でも迷いなく狙った患部に鍼を差し込むことが可能です。「管鍼術」については、今日に至るまで、日本の鍼灸において基本的な使い方と言えます。
現代の鍼灸
時を経て17世紀ごろになると、西洋にも鍼灸は伝わるようになりますが、西洋医学の目覚ましい進化の中で、鍼灸の効能についてはなかなか注目されることがありませんでした。
しかし1970年ごろから、鍼の鎮痛作用が医学的な関心を呼んだことで研究が進み、先進国で普及し始めました。現在では補完代替医療の有力な治療法として定着しようとしています。
また、発展途上国においても容易に用いることができる効果的な医療技術としてWHOの注目を浴び、世界的に普及することとなりました。
当院での鍼灸治療
さて、現代において鍼灸治療には様々な考え方や方法があります。
古(いにしえ)からの東洋医学論を重視した方法もあれば、より西洋医学の見地に近づき、多くの人が理解しやすいエビデンスに沿った方法もあります。
当院ではどちらかと言えば西洋医学の論理に近い考え方を採用し、実際に痛みを伴っている部分に鍼灸を施し、痛みの緩和を図っていく方法です。
当院の鍼灸師は、20年以上にわたる整体の技術と経験を誇ります。しかし、痛みの本当の病巣がインナーマッスルのような場合には、表層からマッサージをしてもなかなか効果が得られない場合があります。
当院での”鍼”に対する考え方は、その深層の痛みの元を、内からダイレクトにほぐす点にあります。
灸に関しては、外からさすったりこすったりという刺激がかえって症状の悪化につながると懸念されるような場合に、もぐさ自体の効果ともぐさを燻ることによる熱で痛みを鎮静させようという考えに基づいて利用していきます。
動画は当院でのお灸の一つ知熱灸になります。
熱さを感じる前(七分、八分)で空気の遮断させる方法を用いて消火させます。
心地良い熱が残るでしょう。
その熱の刺激が筋肉を緩ませます。
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